インテリアコーディネーターをしていると、
「burameさんの家だったらどちらを選びますか?」
と聞かれることがあります。
最終的な判断に迷った時は自分よりもその分野に詳しい人のこたえを聞きたくなりますよね。
ですが多くの場合、好みや価値観、ライフスタイルが異なるため、私が自分のために選ぶものとお客様にぴったりなものというのは一致しません。
そのためこのような質問をいただいた場合、自分の好みではなくお客様の条件に合っていてお部屋がより素敵になる方を選んでお答えします。
だけど・・・やっぱり気になるよね!
自分ちだったらどうやって選ぶの?
本当はどんなのが好みなの?
などなど。
私もコーディネーター仲間や先輩のおうちのインテリアには興味深々です。
そこで今回はリビングのメイン家具であるソファを、我が家ではどんな風に決めたのかというお話です。
まずはイメージ作り
ネットや雑誌を見ていいなと思った部屋の画像を集めて、どんな雰囲気にするか決めていきます。仕事と一緒です。
私はパワポに画像を貼っていきましたが、雑誌の切り抜きを貼りあわせるのでもOKです。そこには既存の家具で引き続き使いたいものも一緒に載せます。
これをすると部屋全体のコーディネートがイメージできるだけでなく、家族や設計士など家づくりのメンバーとイメージを共有することができるので、実際に商品を決める時にも参考になりますし、買った後で「なんかこれだけ部屋に合ってないかも・・・」ということも防ぐことができるのでおすすめです。
ちなみに私が作ったイメージボードも載せようと思ったんですが、PC初期化したのでデータが残ってませんでした・・・残念。
条件と希望の確認
イメージを考えつつ、具体的な条件と希望も確認します。
間取りと過ごし方
部屋の広さを測ることは重要ですが、それとあわせてそこでの過ごし方も考えておくことをおすすめします。
我が家の場合、朝食はキッチンカウンター、夕食はテレビを見ながらリビングのローテーブル、来客はほとんどない、となるとダイニングっていつ使うんだろ?ということになり、結局置かないことにしました。するとダイニング分の面積は全てリビングになるので、部屋の広さが同じでも設置可能なソファの選択肢が広がります。
というわけで、過ごし方によって必要な広さや置ける家具のバリエーションは変わってくるので、早い段階で各々の希望や過ごし方を家族と話し合っておくことをおすすめします。
サイズと形状
これも間取りと同じですが、サイズを測るだけでなくどんな用途で何人くらい座れるようにしたいかを考えておくことが大切です。
我が家の場合、二人暮らしで来客もほとんどありませんが、2人掛け+カウチのタイプで幅2.8m/奥行1.8m(カウチ部分)と普通に二人座る分にはもて余す大きさです。単純に二人で座るのであればもっと小さくてよかったのですが、私たちの希望は「二人同時にごろごろできるソファ」だったので、少なくともこのサイズが必要でした(どちらも譲らない・・・)。
そしてサイズを測るのも、もちろん超大事です!
コーディネーターになる前、部屋の広さも確認せずに「大体いけるでしょ」と無茶な感じでソファを購入したところ、搬入すると奥行きが思ったよりも深く、かなり部屋を圧迫してしまいました・・・。そんなことにならないためにも、部屋と家具のサイズはあらかじめ確認し、無理のないサイズを選ぶようにしましょう!
一番いいのは実際に部屋の中でソファの大きさを測ってみて通路幅や空間とのバランスを見ることだと思います。もし実際の部屋で測れない場合は、ちょっと面倒ですが方眼用紙やexcel等に1/50スケールで間取りと家具寸法を入れてみるとわかりやすいです。
今の家を採寸したときの話を以前書いてたので、そちらの方が参考になるかもしれません↓
素材
ソファは張地の面積が広いので、素材を何にするかで価格が大きく異なります。同じかたちのソファでも革張りと布張りでは価格が倍違うなんてことも。
我が家の場合、二人とも布のやさしい感じが好きなので布張りにしました。
だけど希望のカラーは白。
そのため汚れに強い一番グレードの高い生地を選んだところ、普通の生地より5万くらいアップしてしまいました。デザインとメンテナンス性の両立・・・お金かかります。
尚、白い張地を希望した理由としては、クッションなどの小物で季節やトレンドを楽しみたいからです。ネイビーやからし色などこっくりした色のソファも憧れますけどね。それも気に入った布かけたりしても楽しめますしね。
ちなみに、張地を決める際はできるだけ大きいサンプルを出してもらいましょう!
メーカーのショールームに行けば大抵1mくらいのサンプルを置いてます。手のひらサイズの小さいサンプルと大きいサンプルでは印象が全然違いますので、買った後でイメージと違った!とならないためにも、大きいもので見た目と触り心地を確かめておくことをおすすめします。
予算
予算組むのって難しいですよね・・・。
ソファの価格はメーカーや張地、組合せ次第でピンからきりまであるので、インテリアの仕事をしていても正確に予測するのは難しいです。それにほしいものはソファの他にもありますしね。他の必要なものも買える範囲で、気に入ったものが買える予算を組みたいところです。
今回我が家のソファの予算は、私が仕事で扱っていたソファが同程度のサイズで30〜50万あたりの商品が多かったのでそれくらいを想定していました。ですがインテリアにあまり関心のない旦那Kやその周りの人からは、ソファに数十万なんて・・・とドン引きされてしまいました。IKEAだったらゼロ一個減らしたくらいの価格で買えちゃいますもんね。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思いますが、日々どれくらいの時間ソファーの上で過ごすのかと言うことや、何年くらい何人で使うのか考えたときに妥当だと思える金額がその人にとっての適正価格なのではないでしょうか。
仮に50万円のソファを10年使うとして、365日× 10年=3,650日で、1日あたりに換算すると136円です。二人で使うなら一人1日68円。1日68円で毎日気に入った場所で快適に過ごせるのであれば、それが必要な人にとっては有意義な買い物だと思います。
逆に飽きっぽくてすぐに買い換えたくなってしまう人や、ソファはほとんど使わない人であればもっとコストを抑えたほうが満足度は高いのかもしれませんね。
メーカーのリサーチ
好みや条件をおおむね把握できたら、それに見合うソファを探します。
日本に住んでいれば知ってるところから選べばよかったんですが、いかんせんアメリカに来てしまったので全然知識がありません。知ってるメーカーと言えば高級家具のBakerか日本でもおなじみのIKEAくらい。さすがにBakerが似合うような暮らしはしてないし、せっかくアメリカに来たのにIKEAじゃつまんないし・・・。そんな極端な2択じゃなくてもっと中間のメーカーってないの?というところからburame総研のリサーチがスタートしました。
ネットを駆使して調査した結果、近場に店舗があるところで良さそうだった下記の4メーカーに行ってみることにしました。
Crate & Barrel
https://www.crateandbarrel.com/
以前このブログのバークレーへの旅でもご紹介したCB2の元のショップ。
すっきりとしたデザインが多く、日本人好みな感じです。
Pottery Barn
ザ・アメリカという感じの大きくてカントリー調なデザインからインダストリアルなテイストまで扱うメーカー。木やアイアンの素材感がいい感じです。
私の好きなドラマ「フラーハウス」の中でも、「結婚祝いはCrate&BarrelかPottery Barnの家具がいいわ」というセリフがあったくらい人気があります。
west elm
Pottery Barnの系列店ですがもう少しカジュアルなお店です。
価格帯的にはフランフランと同じくらいのイメージ。
遊び心のあるデザインが多く、価格もわりと手頃なので色々ほしくなってしまいます。
Restoration Hardware
ここもザ・アメリカという感じの大きい家具を扱ってます。
グレイッシュに統一されており、シャビーでありながら高級感があります。
すごく好きな感じなんですが、実際に見ると大きすぎるのと、かっこよすぎてなんだかくつろげないのでここは候補から外しました。
商品の決定
何週かに渡って検討した結果、こちらのソファになりました。
Pottery BarnのTownsendというシリーズのソファです。
同じPottery Barnでもシリーズが違うと座り心地もかなり異なっており、こちらのソファが私たちには一番しっくりきたのでこれにしました。
ソファーの座り心地については、柔らかめ・硬めと好みは人それぞれだと思いますが、私がたくさんのソファに座ってきて譲れない一つの条件としては、思いきり体をあずけてどすっと座っても、座った時に底打ち感がない、というのがあります。あたりが柔らかいソファであっても、きちんと作られたものは柔らかい詰め物の下にしっかりと支えてくれる層があるので、思い切り座っても硬い部分に当たる感じはしません。
もう一つは、家具メーカーの担当さんに教えてもらったことで、家でソファに座るときのようにダラっと座ってみてしっくりくるものを選ぶということです。お店だと周りの目が気になってお行儀よく座ってしまうかもしれませんが、そこは人目を盗んででも自分のくつろげる座り方で試してみることをおすすめします。
購入後の使用感
注文してから届くまでの1.5ヶ月、カーペットと座いすで耐え忍んでましたが、ソファが届いてからは本当に快適になりました!
少し大きめにしたおかげで場所取りで揉めることも(ほぼ)なく、二人とものびのび過ごせているのでこの大きさにしてよかったと思います。
だけどもちろん想定外のデメリットもあります。
白いソファって、髪の毛がめちゃ目立つ・・・
床も明るいと髪の毛目立ちますしね。盲点でした。
あと服によっては毛玉が発生やすいみたいで、その服の時は近づかないようにしてます。黒い服で発生した毛玉は目立つんですよね。
まあこれはコロコロと毛玉取りをたまにしてあげればなんとかなるので、これくらいの問題で済んでよかったです。
今後の計画
今は冬仕様で赤系コーディネートにしてますが、もう少し暖かい気候になってきたらブルーやイエローの爽やか系にしようと計画中。
あとのびのびになっていた壁のアートもそろそろ探しに行きたいなー。
楽しみはまだしばらく続きそうです。
それではまた。
burame