今日のESLスクールでのグループディスカッションのテーマは「マナー」。
その中で中国人の女性から質問されたのが、
いただきますって宗教なの?それともマナー?
でした。
その女性は日本の映画やドラマで出てくるごはんのシーンで、日本人がよく言ってるあの言葉は何なんだろうと疑問に思っていたそうです。
咄嗟に聞かれると、どっちだろう・・・と少しフリーズしてしまいました。
ちょっと考えた結果、
両方だと思う
と答えました。
もはやマナーであり習慣なのであまり深く考えずに言ってますが、ほとんどの日本人にとって「いただきます」という言葉は、料理を作ってくれた人や生き物への感謝の気持ちをあらわすもの、という共通認識があると思います。
という内容を超絶たどたどしい英語で伝えたところ、なんとか理解してくれました。ですが「生き物にも感謝をする」という感覚に驚いたようでした。
この感覚は日本古来の八百万の神様信仰から来てるんじゃないかなと思ったので、マナーになる以前のルーツは宗教だと思うという意味もこめて「両方」と答えました。
クリスチャンの人々が「アーメン」と言って祈りを捧げて食事するのと似てますが、私たちが「いただきます」と言う時、特定の神様に感謝をするという感覚ではないと思うんですよね。そのことを考えると、普段はほとんど宗教なんて意識しませんが、やはりクリスチャンとは異なる信仰に基づいた行為だと感じます。
ちなみに中国では「いただきます」のような食前の言葉はないそうで、いきなりみんな食べ始めるそうです。
ですが家族みんなが揃うのを待って食べるとか、今はもうやらないそうですが、年上を敬うという考え方から、昔は大人と子供のテーブルは別にするというルールはあったそうです。
それから「中国の家庭に招かれて、出されたお料理を全部食べるのは失礼って本当?」と聞いたところ、「そもそも全部食べるというのが無理」という答えが返ってきました。
というのも、例えばお客さんが5人だとすると、10人前用意するといのが招く側のマナーなんだそうです。だから全部食べきるなんてありえないとなるようです。それでも無理して食べきってしまうと、もてなす側に恥をかかせた!となってしまうから失礼なんでしょうね。昔、残ったものは家族やお手伝いさんが食べる分だからゲストが全部食べてはいけないという話を聞いたことがあるんですが、その辺はどうなんでしょうね。また機会があれば聞いてみたいと思います。
何はともあれ、今回冒頭の質問を受けてみて、言葉や行為には文化的な背景があらわれるんだなと当たり前のことを再認識しました。
私ももっと色々な国の人に「あれってどういう意味なの?」と聞いてみたいです。
それではまた。
burame