おとといに引き続きビアグラスのお話です。
先日の記事の最後で、同じビールを異なるグラスに注いで飲みくらべたらどうなるんだろうと書いてたのを、本当にやってみました。
今回のグラス:American Wheat Beer
今回取り上げるグラスはSPIEGELAU(シュピゲラウ)のクラフトビール用シリーズ、American Wheat Beer(アメリカン・ウィート・ビア)グラスです。(写真右端)
当初は前回と同じく、グラスの製作秘話やこだわりポイントをご紹介しようと思っていたんですが、ここでひとつ問題が。
“ドイツのグラス会社がアメリカのクラフトビール会社と試行錯誤の上、その種類のビールに最適なグラスを完成させました!”
という、つい数日前にどこかで聞いたようなお話。
ストーリーがIPAグラスとあんま変わらない・・・
(ごーん)
それじゃつまらないので、本当にこの形が最適なのか、世の中全てのグラスを検討するのは無理ですが、せめてわが家にある数種類のグラスで飲みくらべてジャッジしたいと思います。
今回のビール:Hoegaarden
今回飲みくらべてみるのは、WHEAT(小麦)ビアでおなじみのHoegaarden(ヒューガルデン)です。
3種類のグラスでくらべてみるので2本使用。
ビンの底に酵母が溜まっているので、たまにビンを振って注ぎ分けました。
いざ飲みくらべ!
それでは早速飲みくらべてみましょう。
左からタンブラー、WHEATグラス、IPAグラスです。
泡立ち
泡立ち具合は写真を見ての通り、
1位 IPAグラス
2位 WHEATグラス
3位 タンブラー
でした。
前回の記事で出てきた、”IPAグラスは泡立ちが良くなるように作っている”というのは本当だったようです。
ちなみにビールの泡には香りを持続させる役割があるそうなので、香りを大事にしたいIPAにとって、泡立ちの良さというのは大切な要素なんでしょうね。
香り
続いて香りですが、これは明らかに3者で違いました。
香りが強く感じられた順でランクづけすると、
1位 IPAグラス
2位 WHEATグラス
3位 タンブラー
でした。
泡立ちランキングと同じですね。
IPAグラスはとても強く香りを感じました。このグラスを作った人も、こんなに鼻にダイレクトに香りが届くグラスはないって言ってましたしね。
WHEATグラスはこの大きなぼってりボディの中に、香りが蓄えられているな〜という感じ。ですが押し出し感がIPAより弱めでした。
そしてタンブラーについては、香りがぼんやりとしていてあまり分かりませんでした。
この違いはグラスの開口部の形状によるもののようです。
IPAとWHEATグラスは中腹のあたりがふっくらしていて、開口部が狭くなることにより、香りがグラス内に留まっていますが、タンブラーは開口部が広がっているので、そこから香りが逃げてしまうそうです。
ビール本にもこういったグラスの違いが載っていたんですが、こんなにも違うものなのかと驚きました。
味わい
ここも泡立ち、香りと同じような結果になるのかと思いきや、
1位 WHEATグラス
2位 IPAグラス
3位 タンブラー
と、ようやくWHEATグラス本領発揮!
ここでもIPAグラスに負けていては、WHEATグラスいらないじゃんってなりますよね。
さて同じビールを飲んでいるのに何が違うのかというと、
まろやかさと味の広がり感
が違いました。
WHEATグラスは開口部がゆるやかな円形で広く、ビールが横に広がった状態で口に入ってくるため、舌全体にゆっくりと広がります。
そのためWHEATビアの良さを感じやすかったです。
一方IPAグラスは、WHEATグラスにくらべて細身でストレートなので、飲むと舌の中央を通ってまっすぐスピーディーに流れ込んできます。
そのため、WHEATビアのやさしく爽やかな味わいを楽しむというよりは、炭酸の強さや苦味を強く感じました。IPAに最適化されているということでしょうね。
そして3位のタンブラーについては、香りが飛んでしまっているせいか味も薄く感じました。
まとめ
というわけで、飲みくらべをしてみた結果、
WHEATビア用グラスはWHEATビアが一番美味しく飲めるように作られている
ということがわかりました。
IPAグラスの時と同様、
“この形、奇をてらってるだけなんじゃないの?”
と心の隅では思っていたんですが、美味しく飲めるようにしっかり考えられて作られたグラスでした。(疑ってごめんなさい・・・)
それでは皆さまもよきビールライフを〜
burame